2019年6月14日取材
SETAGAYA FOREST・世田谷フォレスト (パラダイスリゾート)
インプレッション1——世田谷区内で3LDKが3900万円台から、の予定価格にまず注目

「世田谷フォレスト」は、世田谷区内で3LDKが3900万円台という価格設定でまず、注目されるマンションだ。最低価格が3900万円台であれば、ほとんどの3LDKが4000万円台、5000万円台で購入できることになる。

23区内の世田谷区で、ファミリー向け3LDKが4000万円台、5000万円台で購入できる、というのは驚きの価格設定だ。このマンションを購入して、車を持てば「世田谷ナンバー」に……なんだか、ちょっとうれしくなる。

ちなみに、「世田谷フォレスト」では、1階に専用駐車場付きの住戸が設定されており、その専用駐車場の使用料は月額2900円。つまり、1階住戸の専用庭に駐車スペースが設けられており、その住戸を購入した人は月額2900円で駐車スペースを専用使用できることになっている。

世田谷区内であれば、コインパーキングに1晩止めただけで、2000円〜3000円払うことになる。そのことを考えると、お買い得感の大きい住戸といえる。そんな住戸があることも、「世田谷フォレスト」の注目点となる。

1階の専用駐車場付き住戸のほか、「世田谷フォレスト」には、角住戸が多く(98戸中38戸が角住戸)、ルーフバルコニー付き住戸が多いという特徴もある。ルーフバルコニーは「最近は、一戸建てでもこれだけ広い庭付きは珍しいだろう」という面積があり、バリエーションが豊富。周囲には一戸建てを中心にした低層の建物が多いため、眺望のよさも特徴だ。

インプレッション2——仙川駅と千歳烏山駅が最寄りで、吉祥寺も生活圏

3LDKが3900万円台から、の予定価格を実現するのは、「世田谷フォレスト」が駅近ではないことが理由だろう。といっても、駅から歩ける距離だ。

「世田谷フォレスト」の建設地は、京王線の快速停車駅の仙川駅から徒歩14分、準特急停車駅の千歳烏山駅からは徒歩18分となる。今から約30年前、私が最初に買ったマンションは、駅からマンションの敷地入り口まで徒歩13分だった。マンション入り口から私の棟まで100mくらい離れていたので、実質的な徒歩は14分か15分……徒歩14分は、普通に歩ける距離だ。

さらに、「世田谷フォレスト」の場合、同マンションから徒歩1分のバス停から千歳烏山駅行きのバスを利用でき、千歳烏山駅までは7分の所要時間となる。自転車を利用すれば、仙川駅まで約5分、千歳烏山駅まで約6分だ。

駅近のマンションではないが、決して不便なマンションというわけではない。そして、自転車で吉祥寺駅まで約16分となるのも、同マンションの隠れた立地特性。この立地で、3LDKが3900万円台から、であれば、十分検討に値する物件ということになる。

仙川駅周辺は近年、再開発で街の印象が大きく変わった。お洒落なカフェやレストラン、ブティックが増え、休日の人出も多い。賑わいが増したことに合わせて、仙川駅に近い新築マンションは分譲価格が上がってしまった。

その仙川駅周辺を生活圏にできることを考え合わせると、「世田谷フォレスト」の価格設定はますます魅力的に思えてくる。

インプレッション3——十分な広さの住戸は設備仕様のレベルも高い

「世田谷フォレスト」は、住戸の居住性が高い。それは、今回の取材で、一番驚いた点だ。

キッチンにディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)と食器洗い乾燥機が標準設置され、ガスコンロには上位機種が備えられる。ディスポーザーも口の広いタイプで使いやすい。よい設備がはいっているなあ、と感心した。

浴室はミストサウナ付きで、トイレは便器とは別に手洗い器があり、便器はローシルエット型で美しい。これも、上位設備だ。

住戸は、2重床2重天井の仕様。そして、オートロックはハンズフリー方式になっているのも注目される。ハンズフリーとは、玄関キーをバッグやポケットに入れておけば、キーを出さなくてもオートロックが解除される方式のこと。車のETCのような方式で、使い勝手がよい。

しかも、そのハンズフリー方式のキーが各戸に3個提供される。この点にも驚いた。今は、1億円を超えるマンションでも、「ハンズフリーキーは1個。それ以上は別途費用」となるケースが多いからだ。「世田谷フォレスト」の場合、標準(つまり、追加料金なし)で3個ついている。細かな点だが、こういうところに売り主の誠意が表れるというものだ。

「世田谷フォレスト」は全99戸で、販売されるのは98戸。その住戸は1LDK+S〜4LDKで、プランバリエーションが35もある。1階専用庭付きやルーフバルコニー付きなど特殊住戸が設定されているのも注目される。間取りを選ぶ楽しさのあるマンションだ。

中心となるのは、67m2前後の3LDK。バルコニー側の柱を住戸の外に出し、ワイドスパンで室内廊下を短くするなどの工夫で室内の有効面積を広げ、十分な室内空間をつくっているのも特筆される。

インプレッション4——世田谷のマンションらしく、外観・エントランスも立派

「世田谷フォレスト」は、建物全体のつくりも上質だ。外壁にはタイル張り部分が多く、しかも複数のタイルを貼り分けて、高級感が増している。

エントランスホールは2層吹き抜けの荘厳なもの。とても、「3LDKが3900万円台から」のマンションにはみえない。いかにも世田谷のマンションらしい、重厚なたたずまいだ。

建設地は武蔵野台地の上となり、地盤は固い。大地震が起きた際も安心感の大きな場所である。

一方で、同マンションの建設地は南側が吉祥寺通りに面している。これは、「世田谷フォレスト」だけではなく、世田谷に建設されるマンションの多くに生ずる特徴といえる。世田谷区内には高速道路や幹線道路が多いため、「交通量の多い道路が近い」ということになりがちなのだ。

その場合、車の騒音や排気ガスを気にする人も出てくる。しかし、近年は車の性能が上がり、騒音、排気ガスが大幅に減少。さらに、ガソリン車を減らし、ハイブリッドやEV車を増やす方向に進んでいるので、今後ますます弊害は減って行くと考えられる。

また、車の騒音が気になるのは深夜なのだが、吉祥寺通りは、夜間、車の通行量が少ない。それに、南向き住戸の寝室は北側に配置されるため、音が気になるとは考えにくい。その点は、現地周辺で確認するといいだろう。

インプレッション5——売り主は、飯田ホールディングスのパラダイスリゾート

マンションの売り主は「パラダイスリゾート」。その会社名を知らない人が多いだろう。同社は飯田グループホールディングスの一員。分譲住宅の数で日本一となるグループで、市川海老蔵さんがCMに登場していることでも広く知られている。

大きなグループの一員だが、「パラダイスリゾート」の知名度はまだ低い。このように新しい不動産会社の物件は、大手不動産会社の物件より価格が抑えられる。買い手からすれば、価格は魅力的だが、このマンションを買っていいのだろうか、と不安が浮かぶ状況である。

そのようなマンションをみるとき、私ならば「誇り(プライド)」を持ってつくられているかどうかを感じ取ろうとする。

ごまかしが感じられる物件は論外、卑屈な姿勢が垣間見える物件も敬遠したい。価格を抑えても、精魂込めてつくるという誇り、駅から離れてもこの場所にしかないよさがあり、それを活かしたマンションにするという気概……そのように誇りをもち、前向きな姿勢でつくられたマンションならば、高評価を与える。

「パラダイスリゾート」は大手ではなく、老舗でもない。まだ歴史が浅い会社だが、こういう創生期の不動産会社はときに精魂込めてマンションをつくる。寝食を忘れ、誇りを持って大手に負けないような物件をつくろうとするわけだ。

今回の取材を通し、「世田谷フォレスト」から十分な気概を感じることができた。フル装備といえるほど充実した住戸内設備、お金をかけた外観とエントランス、バリエーションが多い間取り……いずれも手間とお金がかかることばかりだ。

建物を一所懸命つくって、価格は抑えている。それは、住む人に喜んでもらいたい、という気持ちがあるからだろう。

「世田谷フォレスト」は駅に近いマンションではなく、大手不動産会社のマンションでもない。一方で、「だからこそ、備えられる長所」もある。大手ではないから、といって見過ごすのは惜しいマンションだと私は改めて思った。