2020年1月10日取材
分譲SOHO in DEUX TOURS CANAL&SPA(ドゥ・トゥール)とシティタワー銀座東 (住友不動産)
インプレッション1——分譲SOHOという新しいジャンルの住戸が2つの超高層マンションで売られている

DEUX TOURS CANAL&SPA(ドゥ・トゥール)とシティタワー銀座東——中央区内で分譲されている2つの超高層マンションで、「SOHO(ソーホー)」という、日本ではまだ馴染みの薄い形態のスペースが分譲されている。特に、「分譲SOHO」は珍しい。おそらく、この2物件だけだろう。

馴染みは薄いが、割安さと目的に特化した使いやすさで、得がたい分譲形式と考えられる。

知られざる、「分譲SOHO」の魅力をレポートしたい。

インプレッション2——最初に、「分譲SOHO」の用途と特徴を解き明かしたい

SOHOとは、スモールオフィス・ホームオフィスを略したもので、小さな仕事場兼住居のこと。デザイナーやコンサルタントなど一人で仕事をする人に便利な都心部に設けられる新しい住居タイプである。

2マンションのSOHOタイプは約34㎡〜44㎡の広さがあり、一般のマンション住戸でいえば、広めのスタジオタイプから1LDKの面積だ。ワンルームマンションの場合、25㎡程度の広さになるため、それよりはだいぶ広い。

そのなかに、キッチン・トイレ・洗面所・シャワールームが備えられ、2人での生活も十分に可能。子育てだってできそうだ。

仕事場としての使用を考えたとき、その住所で会社の登記ができる。そして、仕事場兼住居だから、当然、寝泊まりができる。以上、二つの特徴が、SOHOならではのものとなる。

というのも、一般的なマンション住戸(分譲にしろ、賃貸にしろ)では、会社登記不可、となっているケースが多い。会社登記したいなら、オフィス用のスペースを借りたり、買ったりなければならないわけだ。

一方、オフィス用スペースを借りると、寝泊まりできないことが多い。宿泊禁止になっているところがあるし、泊まり込む際にはいちいち届け出が必要になることもある。他のオフィスへの盗難防止や火災防止などを考えれば、宿泊禁止になることも頷ける。

仕事の拠点として登記でき、好きなだけ泊まって(というか、住み続けても)問題ないし、夜中にコンビニに出かけるのも自由……そんなことを実現させてくれるのが、「SOHO」ならではの長所である。

2マンションには分譲SOHOのほかに、賃貸SOHOもあるのだが、賃貸SOHOの人気は極めて高い。が、そのことについては、先の項目で詳しく解説したい。

2マンションの分譲SOHOは、分譲価格が4000万円台からの設定。その価格に注目する人も多いだろう。

2マンションの分譲SOHOには専用のエントランスが設けられ、入り口近くに来客とのミーティングルームが設けられていたりする。

といっても、2つのマンションで、異なる特徴がある。ここからは、それぞれのマンションごとに、分譲SOHOの特徴を解説したい。

インプレッション3——DEUX TOURS CANAL&SPA(ドゥ・トゥール)の分譲SOHO

「DEUX TOURS CANAL&SPA(以下、ドゥ・トゥール)」は、中央区内で、銀座から2.2㎞圏に建設される地上52階建てのツインタワーマンション。その場所は、中央区晴海3丁目。銀座から約2.2㎞の距離で、都営大江戸線「勝どき」駅から徒歩9分、2020年東京五輪の選手村に近い場所だ。

マンションの1階に 24 時間営業のスーパーマーケットがあり、生活利便性は高い。そして、建物には免震構造を採用し、長期優良住宅の認定を受けている。

2棟の建物のうち、分譲SOHOが設けられているのは、EAST棟の上階。47階から52階だ。52階建てEAST棟最上階部分はすべてSOHOになっている。これは、「日本に、分譲SOHOを根付かせたい」という願いを込めて、売り主の住友不動産が行った英断ではないだろうか。

文句なしに素晴らしい眺望のSOHOが実現しているわけだ。「ドゥ・トゥール」は、すでに建物が完成しているマンションなので、その眺望を実地に確認することができる。

その価格は、西向きの約42㎡タイプ(48階、49階)で5900万円台など。3.3㎡あたり460万円ほどの設定となり、中央区内の50階前後に設定される住戸タイプと比べれば、大幅に安い。

ちなみに、分譲SOHOがあるフロアの下、44階から46階には賃貸SOHOがあり、その家賃設定は約42㎡住戸で26万円ほど。その人気は高く、9割以上の賃貸SOHOが入居済みだ。

参考までに、約42㎡・5900万円の分譲SOHOを家賃26万円で賃貸に出した場合、単純利回りで5%を超える。今、新築分譲マンションの住戸を購入して、すぐに賃貸に出しても、単純利回り5%はなかなか出ない。3%でも無理。2%がいいところだ。

それを考えると、分譲SOHOは、自分で利用してよし、貸してよし、の物件ということになる。

インプレッション4——シティタワー銀座東の分譲SOHO

「シティタワー銀座東」が建つのは中央区の内陸側で、銀座から約1.3㎞、東京駅から約1.4㎞。東京メトロ日比谷線とJR京葉線を利用できる八丁堀駅から徒歩5分ほか、複数路線が利用できる便利な場所だ。

土地区画整理事業で新しく生まれ変わる街区に位置し、建物の周囲には緑が豊富。その中に建つ地上22階建て、全492戸の大規模免震構造マンションは重厚な外観で、堂々とした超高層マンションである。

同マンションは、夜10時まで営業のスーパーマーケットに隣接しているのも特徴。便利さと静かさを両立する立地条件といえる。

その分譲SOHOは中層部に設置され、取材時点で販売中だったのは8階から11階のもの。価格は約34㎡タイプが4600万円台、44㎡タイプが6000万円台などで、4000万円台で購入できる分譲SOHOがある点に興味がひかれる。

分譲SOHOには専用のエントランスが設けられ、入り口近くに来客とのミーティングルームが2つ設けられている。仕事の打ち合わせをするとき、居住スペースに来客を入れずに済むわけだ。SOHOの使い勝手が高められている。

「シティタワー銀座東」は、2019年春に建物が完成。こちらも、実際の建物内を見て、購入を検討できるようになっている。

インプレッション5——分譲SOHOを購入する意味と利点

「ドゥ・トゥール」と「シティタワー銀座東」に登場した分譲SOHOは、「小さな仕事場兼住居」を分譲する、というおそらく日本初の企画である。それは、単に「30㎡〜40㎡」程度のマンション住戸に「SOHO」という名前を付けただけのものではない。

マンション住戸で起業しようというときの問題点(登記しにくい)、オフィスビルのネック(寝泊まりしにくい)を共に解消し、新たなニーズを掘り起こそうという試みだ。

キッチンはファミリータイプの住戸と比べれば簡素化したもので、「ドゥ・トゥール」の分譲SOHOの場合、浴室にはバスタブがなく、シャワーだけ……それでも、SOHOという性格からしたら、十分といえる。さらに、「ドゥ・トゥール」の共用施設にはスパ(有料)もあり、それを利用することもできる。

一方で、来客時にキッチンを隠す電動パネルが付けられる、というSOHOならではの工夫もある。SOHOとしての使い勝手を上げる工夫が多く凝らされているわけだ。

この試みは、起業しようとする人、副業を始めた人たちの支持を受けている。それは、2つのマンションに設定されている賃貸SOHOの多くが入居済みになっていることで証明されている。

賃貸SOHOは、極めて人気が高い。

ということは、分譲SOHOを購入し、賃貸に出すこともしやすい。

まずは、自分が起業するために購入し、いずれ、人に貸す、ということでもいいだろう。その使用用途は広い。

分譲SOHOはローンを組んでの購入も可能だ。SOHOでも、一部の金融機関では、住宅ローンと利用条件が変わらないものもある。

そうやって考えてみると、「ドゥ・トゥール」と「シティタワー銀座東」に設定されている分譲SOHOには、利点が多い。価値ある分譲形式といえる。

その価値に気づく人が少ないうちが、狙い目といえるだろう。