2018年4月16日取材
THEパームス調布マノアーガーデン (トーセイ)
インプレッション1——調布市内で4LDKが購入しやすい、という点に驚いた

「THEパームス調布マノアーガーデン」は、全162戸の大規模マンションで、住戸は2LDK+S〜4LDK。そのなかに「4LDK」住戸が多いことに、私は注目した。これ、意外に大きな特徴である。

というのも、近年、新築分譲マンションで4LDKを探しにくくなっているからだ。

20世紀までは、「分譲マンション」といえば、3LDKと4LDKが主体。2LDKがごく一部に設定されて、1LDKは皆無という状況だった。それが、現在は状況が一転。子ども一人の3人家族と子どもがいない夫婦2人暮らしが増加した結果だろう、分譲マンションは2LDKと3LDKが主体となり、一部に1LDKを設定。4LDKは駅から歩いて15分以上のマンションで希に見かける程度になってしまった。

しかし、4LDKの需要がなくなったわけではない。

今の時代も、子どもが3人の5人家族は4LDKを欲しがるし、子どもが2人の4人家族でも自宅に仕事場が必要という場合は4LDKが理想の間取りとなる。

需要があるのに、4LDKの住戸が減少。特に、駅から徒歩10分以内の新築マンションで4LDKを探すのが至難の業となっている。

ところが、「THEパームス調布マノアーガーデン」は駅から徒歩9分で、4LDKを多く設定。しかも、調布市内で4998万円〜5818万円の価格設定になっている。

不動産のプロとして注目してしまうのは当然だろう。

建設地は、東京都調布市多摩川1丁目。子育て世帯に人気の高い調布市内で、京王線「西調布」駅から徒歩9分、もしくは京王相模原線「京王多摩川」駅から徒歩12分の住宅エリアだ。2駅はいずれも京王線の特急停車駅「調布」の隣駅なので、都心部へのアクセスがよい。「調布」駅で特急に乗り換えれば「新宿」駅まで2駅15分。「西調布」駅から「調布」駅へは2分なので、「新宿」まで電車の所要時間は17分となる。

もちろん、「調布」駅から徒歩10分以内なら、さらに便利になるのだが、そうなると分譲価格が跳ね上がる。4LDKの間取りならば、80m2前後の広さは必要。「調布」駅から徒歩10分以内の新築4LDKであれば7000万円前後になって不思議はない。かなりの高額である。

その点、「西調布」駅から徒歩9分の「THEパームス調布マノアーガーデン」は、4LDKが4998万円〜5818万円。4LDKは角住戸となり、全戸が南東向きと南西向きだ。

これらを考え合わせれば、納得感が大きい。納得できる価格、立地条件で4LDKを購入しやすいマンション、それが「THEパームス調布マノアーガーデン」ということになる。

インプレッション2——徒歩10分以内に商業・教育・医療・公園がそろい、家族で暮らしやすい

マンションを買うとき、「駅に近いこと」を高く評価する人がいる。一方で、「駅から離れてもいいから環境がよいこと」を好ましく思う人もいる。じつは、私自身は後者の環境重視派で、「緑の多さや静かさが実現するなら、多少駅から離れてもよい」と思っており、実際にバス利用立地のマンションを購入したこともある。

では、「多少離れてもよい」とは、どれくらいの距離を指すのか。多くの人にとって、歩いてストレスを感じにくいのは徒歩10分以内ではないだろうか。

「THEパームス調布マノアーガーデン」は「西調布」駅から徒歩9分で、住環境のよさで注目すべき要素を複数備えている。まず、多摩川が身近(約830m・徒歩11分)で、ゴルフやテニスを楽しむことができる「東宝調布スポーツパーク」が、約310m・徒歩4分。生活利便施設では、歩いて7分以内に2つのスーパーマーケットがあり、学区の調布市立多摩川小学校まで徒歩8分、調布市立第五中学校まで徒歩5分など、保育園から中学校までの教育施設、医療施設、そして公園が歩いて10分以内にそろっている。

ファミリーで暮らしやすい要素を身近に備えており、少し足を伸ばせば再開発で賑わいを増す調布駅周辺も生活圏となる。それでいて、後述するとおり、分譲価格が抑えられている。まさに、穴場と呼べる場所のマンションといえる。

ただし、このエリアでは、新規のマンション開発が途絶えていた。私自身、西調布を最寄りとするマンションの取材をするのは10年ぶりである。この希少性も、同マンションの立地特性となる。

インプレッション3——敷地の緑、建物全体から感じる上質感が好ましい

「THEパームス調布マノアーガーデン」は、建物の注目点も多い。

まず、敷地を囲むように緑が配置される。48種類約5800本もの樹木が建物を囲む。

この緑は大きな財産になるはずだ。というのも、34年に及ぶ取材経験を通し、私は「緑に囲まれたマンションは人気が落ちず、中古になっても値段が落ちにくい」という認識を持っているからだ。

わかりやすい例を挙げると、現在「表参道ヒルズ」になっている場所にあった同潤会青山アパートがある。同潤会青山アパートは、保存運動が起きるほど愛された。建物自体は古くなっていたが、表参道のケヤキ並木と一体化していたために風情が増していたと考えられる。緑に囲まれていることは、それほどに価値があることといえる。 さらに、「THEパームス調布マノアーガーデン」は外観が美しい。

アースカラーのタイル張り部分が多く、バルコニーの手すりはガラス張り。マンションをみるとき、タイルとガラスを多用した外観・エントランスを私は高く評価する。二つの素材は、経年変化を起こしにくく、年月の経過とともに風格を増す素材であるからだ。風格を増した外観、エントランスは見る人に好印象を与える。加えて、前述したとおり、樹木に囲まれた外観も好印象を与える。それらは将来、中古で売ろうとするときに有利になる。

中古で売る気がなくても、それらが美しいと居住者は気分がよい。外観、エントランスそして、敷地内の緑は資産価値を左右する要素になるわけだ。

インプレッション4——利用度が高そうな共用施設もマンションの財産である

「THEパームス調布マノアーガーデン」は全162戸と規模が大きく、そのスケールメリットで共用施設が充実し、しかもその共用施設が魅力的な空間になる計画だ。

エントランスに続く「シルクフォレストラウンジ」は、シンプルで上質感を感じさせるインテリアに仕上げられる。その外側に設けられる「アフターヌーンガーデン」は円形舞台のようで、ヘリンボーン張りの木質床が高級感を感じさせる。他のマンションではお目にかかれない意匠だと感心した。

そのほか、屋内空間だが、ピクニックのように人が集まる「ピクニックテラス」、贅沢にしつらえられた読書空間「リラックスライブラリー」もある。

マンションの共用施設は、いくつかの段階を経て進化してきた。昭和から平成にかけてのバブル期は、とにかく盛りだくさんの共用施設が付けられた。が、なかには利用度の低いものが含まれていた。それを反省して、共用施設をそぎ落とす物件が増える時期もあった。そして、今は本当に役立つ施設を十分に盛り込むようになっている。ただし、そのように共用施設を充実させることができるのは、大規模マンションに限られる。

利用度が高く、居住者が満足する共用施設はマンションの財産になる。共用施設が充実する大規模マンションは、財産を多くもつマンション――そのように認識される時代が始まったと私は思っている。

インプレッション5——居住性重視の室内が提案され、穴場立地の名作を目指す

「THEパームス調布マノアーガーデン」のモデルルームをみると、居住満足度を高めるための細やかな工夫をいくつも発見できた。

たとえば、住戸の天井高は、一般的な2m40cmを超える2m50cmで、下がり天井が少ない。バルコニーは奥行2mで余裕がある。バルコニー側の柱を住戸外に出して室内の有効面積を拡大する高評価だ。

キッチンでは食器洗い乾燥機が標準設置され、収納はソフトクロージングでゆっくり閉まるように工夫。下部に幅木収納も設けられる。

さらに、私が注目したのは、全タイプのLD部分に収納スペースが設けられている点。収納がないと、LDの片付きがわるくなる。寝室や廊下だけでなく、LDにも収納スペースが必要なのだが、「全タイプにLD収納付き」というマンションは少ない。「THEパームス調布マノアーガーデン」は、その数少ないマンションの一つである。

LDに配置される収納スペースは、鏡面仕上げの扉も美しい。

このマンションの事業主は「トーセイ株式会社」。知らない人もいるだろうが、都心部を中心に分譲マンション、オフィスビル、ホテルなど開発してきたデベロッパーだ。その最新作となる「THEパームス調布マノアーガーデン」を取材し、共用部、住戸内で他のマンションとひと味違う部分をいくつも発見できた。

「調布」を生活圏する穴場立地で、マスターピース=名作と呼ばれるマンションを目指す……そんな作品だと評価された。