AI調査で分かった、首都圏・中古マンション購入の狙い目駅65

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2021年6月4日

櫻井幸雄の独自データ
AI調査でわかった、首都圏・中古マンション購入の狙い目駅65

本日、Yahoo!ニュースで、「世田谷人気が復活?コロナ禍で中古マンション価格大幅上昇の首都圏30駅が明らかに」を発表した。

補足説明

この記事は、ソニーグループでコンサルティング事業を展開するSREホールディングスと、私櫻井幸雄の協力企画で実施された調査を基にしています。
同社は、ソニーのAI技術を駆使してマンションの売買や賃料の価格相場を推定することができ、今回の調査では、今、中古マンションを売ればいくらになるかを推測。1年前の成約価格と比較して、どれくらい上がったか、下がったかを算出。首都圏の175駅で金額と騰落率を出しています。

本日のYahoo!ニュースでは、1年間で中古価格が大きく上昇した30駅を発表。SREホールディングスのホームページでは、全データが公開されている。

ここでは、中古マンションを買いたい人のために、今、狙い目となる駅、たとえば、「この1年で価格が下がると算出されたが、駅力から判定すると、安くなりすぎと判定される駅」や「予定されている再開発計画を加味すると、今が買い時と考えられる駅」などを紹介したい。

当記事は、オフィシャルサイトでのみ公開されるオリジナルコンテンツとなる。

1年で価格が下がった駅こそが、じつは狙い目

今回の調査では、この1年、中古マンション価格が上がった駅に世田谷区内のものが多く含まれていることが分かった。
世田谷区は、マンション価格が下がっていると思われがちなのだが……。

補足説明

世田谷区に関しては、「不動産価格が下がっている」という記事が多く出ています。そのきっかけは、2017年10月に新聞社のニュースサイトに書いた私の記事が始まりでした。申し訳ないことをしたと反省しています。

じつは、世田谷区は、下落局面から反転していた。

これは、不動産の世界ではよく起こることだ。

人気が落ちて価格が下がると、お買い得と考えて客が戻ってくる。で、再び価格が上がる、という図式である。

その法則を基に今回の調査結果をみれば、この1年で中古マンション価格が下がった場所は、むしろ要注意ということになる。

価格が下がれば目を付ける人が増え、すると、今後は上昇することが予想されるからだ。
そこで、価格下落が見られた駅を中心に、狙い目と考えられる駅をまとめたのが、以下のデータである。この1年間で、価格が下がった駅の順に、狙い目の65駅をピックアップした。

<表の続きを見る>

<表をたたむ>

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狙い目ランクで最高位「3」を付けたのは、3駅

狙い目ランクで最高位となる「3」を付けた駅は、浅草駅とたまプラーザ駅、京王多摩センター駅だ。
いずれも、この1年で中古マンション価格が大きく下がった、と推測された場所だ。

浅草駅に注目する理由

東京メトロ銀座線が利用できる浅草駅は、コロナ禍が起きるまで不動産価格が上昇していた場所です。その理由は、いうまでもなくインバウンド効果。外国人観光客の増加で、街全体の活気が増し、マンション価格も上がっていました。
今回のコロナ禍で、その状況は大きく変わり、中古マンション価格は下落。20年に7034万円だったのが、今年は5846万円。16.9%の下落です。が、この価格水準は、コロナ禍の終息とともに回復することが予想されます。
一時的に下がっている現在は、「浅草に住んでみたい」そして「東京メトロ銀座線沿線で暮らしたい」と考えていた人には絶好の購入チャンスということになります。

たまプラーザ駅に注目する理由

東急田園都市線のたまプラーザ駅は、1年前5076万円でしたが、今4900万円まで下がっていると予測されています。3.9%の下落です。
たまプラーザ駅周辺は、平成初めのバブル期にトレンディな街として脚光を浴び、地価上昇率が日本一になったこともある場所です。が、その後は不動産価格が下がりました。急な坂が多いことや通勤時間帯の電車の混雑が人気を下降させた原因でしょう。
その一方で、たまプラーザ駅周辺は買い物施設が増え、魅力を増している。中古マンション価格が下がった今は、購入のチャンスだと考えられます。

多摩センター駅に注目する理由

表では京王多摩センター駅となっていますが、小田急多摩センター駅でもあります。2駅は、ほぼ同じ場所で、同様に狙い目です。
その中古マンション価格は1年前3804万円で、今年3701万円。2.7%下がりました。
わずかな下落ですが、コロナ禍で多摩ニュータウンの評価が改まりつつあることを勘案すると、今は大分安く購入できる時期といえます。
同駅が所在する多摩ニュータウンエリアは80㎡以上の大型3LDKがみつかりやすい場所です。小田急線を利用した場合、複々線化の完了で、新宿までのアクセスがよくなっているのも、好材料となります。京王多摩センター駅・小田急多摩センター駅とともに京王堀之内駅や京王永山駅(小田急永山駅も同じ)も、注目したい駅となります。

かつての人気駅が、今なら安いというケースも

京王線の聖蹟桜ヶ丘駅・府中駅やJR埼京線の武蔵浦和駅、東武大師線西新井駅、東急田園都市線の溝の口駅・青葉台駅、小田急線町田駅、JR中央・総武線本八幡駅などは、以前から人気が高い駅。が、近年、注目度が下がり、中古マンション価格が下降気味だ。

しかし、高いポテンシャルを持っている駅なので、今後、人気が回復することが予想される。これらの駅を狙っている人は、購入のチャンスといえる。

また、「かつての人気駅」という範疇からは外れるのだが、JR山手線の日暮里駅も要注目の場所となる。

日暮里駅に注目する理由

JR山手線の西日暮里駅では中古マンション価格が大きく上昇しています(+22.2%)。ところが、西日暮里駅の隣駅である日暮里駅では中古マンション価格が下落。その結果、日暮里駅で70㎡中古マンション価格の目安が7566万円なのに、日暮里駅では5605万円。1000万円近い価格差が出ていることになります。

これは、狙い目です。

理由として考えられるのは、西日暮里で駅周辺再開発が進み、新しい街として生まれ変わっているのに対し、日暮里では再開発の計画はあるものの、まだこれからの状況であるから。日暮里繊維街があり、庶民的な街であることも、人気が高まらない理由かもしれません。また、狭い道に面したマンションも多くなっています。

それらの理由で、中古マンション価格が抑えられているのも事実です。価格が上がっている西日暮里駅ではなく、あえて地味な日暮里駅を狙うのもわるくないでしょう。

価格が上がっても、狙い目と考えられる駅

次に、今回調査で、1年前よりも価格上昇という結果が出ても、この価格水準であれば、まだ狙い目といえる駅を挙げたい。それは、東戸塚駅を筆頭に、八王子駅や新川崎駅、仲町台駅、一橋学園駅などだ。

東戸塚駅に注目する理由

まず、JR湘南新宿ライン・横須賀線の東戸塚駅は1年間で14.8%上昇し、3510万円が4030万円になった。それでも、同駅のポテンシャルの高さ、イメージのよさからすれば、まだ割安だろう。

近接するJR東海道本線戸塚駅が近年大きくマンション価格が上がっているのに対して、東戸塚駅は人気が上がっていない。その結果、割安感が生じており、今、再度の上昇期に入った、と考えられる。
だから、今の価格水準でも「買い」と判定されるわけだ。
ただし、東戸塚駅最寄りのマンションには、横浜新道など幹線道路沿いに建つものが少なくない。その場合、現地の環境を確認することが大切となる。

また、東戸塚駅に近い中古マンションには、オール電化の建物が多く存在する。オール電化の場合、キッチンのコンロがIHクッキングヒーターになっているか、お風呂の追い炊き機能(高温差し湯等)があるかどうか、などを確認するとよいだろう。

このほか、JR中央本線八王子駅も、コロナ禍で注目を高めているエリア。郊外エリアだが、駅周辺の商業エリアに活気があり、それを評価する声が大きい場所だ。

JR湘南新宿ライン・横須賀線の新川崎駅も、近年注目度が落ちていたので、今の価格水準(5293万円)は割安と判定される。
ブルーライン(横浜市営地下鉄)の仲町台駅や西武多摩湖線一橋学園駅、JR総武線津田沼駅、東急田園都市線二子新地駅は、以前と比べて割安感が生じている場所。これらも、狙い目としてあげたい。

以上、マイホーム探しの参考にしていただければ、幸いである。