独自調査で注目物件が判明 全国新築マンション「人気指数」 第4回 2023年1月~3月速報

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2023年5月29日

櫻井幸雄の独自データ
独自調査で注目物件が判明 全国新築マンション「人気指数」 第4回
2023年1月~3月速報

今回、最も高い人気指数を出した「ザ・パークハウス高輪プレイス」のキッチン。端に寄せたディスポーザー、シンク下の収納に支柱を入れるなど、つくりのよさが際立つ

10年前から調べている「マンション人気指数」

「マンション人気指数」は、2011年7月から調査を開始した私の独自データだ。
それは、新築マンション各物件の資料請求数と販売センター来訪者数から人気度を計るための指標である。
2015年4月からは、販売センターを開く前、サイト上で告知を始めたマンションを対象に「事前人気指数」の公表も開始した。
「事前人気指数」は、販売開始前から人気を集めているマンションを探すための指標となる。
この12年「マンション人気指数」と「事前人気指数」は、データがまとまるごとに経済誌やインターネットサイトで公表を続けてきた。
そして、2021年からはこのサイト上で公表することにした。
今回は、その4回目となる。以下、エリアごとに人気マンションを公開したい。
まずは、エリアごとの人気マンションの数をまとめた

23区内都心部        36物件 
(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区。文京区、品川区、目黒区、豊島区)
23区内準都心部       43物件
(東京23区のうち、上記9区以外の区) 
東京市部           5物件
神奈川県          21物件
埼玉県           6物件 
千葉県           7物件 
静岡県、愛知県、石川県   5物件 
京都府、奈良県       10物件 
大阪府、兵庫県、広島県   16物件
福岡県、沖縄県       8物件 
栃木県、群馬県、宮城県、北海道 6物件 
合計            163物件 

分譲中で超高人気となったマンション

2023年1月1日から3月31日までの3ヶ月間で、分譲中マンションで人気物件の目安となる人気指数「1」以上を記録したのは、全国で163物件。
そのうち、短期間に完売する可能性が高くなる、人気指数「5」以上となったのは、全国で9物件だった。
ちなみに、半年前の2022年7月1日から9月30日の調査では、人気指数「1」以上が195物件で、指数「5」以上は17物件だったので、だいぶ少なくなった印象がある。といっても、東京23区内、東京市部、神奈川県、そして大阪の新築マンションに関して言えば、ほぼ横ばい。減っているのは、埼玉県と千葉県、そして地方都市の人気マンションだ。
名古屋を中心にした愛知県では、前回5物件あった人気物件が今回調査で3物件に減った。
東京、大阪以外の地方都市で人気物件が減ったのは、調整期に入った結果とみることができる。これまで、勢いよく売れていたため、マンションを買おうと思っていた人の多くがすでに購入。今は、購入希望者が減ったため、人気指数が全般的に落ちているわけだ。
地方都市では、もともとマンション購入希望者の人数が限られているため、頻繁に調整期が出現することになる。

今回調査で、最高値となったのは、都心の小規模マンション。品川駅から徒歩8分の「ザ・パークハウス 高輪プレイス」(全27戸)で、人気指数「10.8」となった。第2位は、千葉県船橋市の「ザ・パークハウス 船橋本町」で人気指数は「6.5」。老舗料亭跡地に建設される全74戸のマンションである。第3位は、杉並区でJR中央線阿佐ヶ谷駅まで徒歩3分の「プラウド阿佐ヶ谷南二丁目」(人気指数6.3)だ。
都心の大規模・超高額マンションばかりが注目を集めているように報道されるなか、現実に人気を高めているのは、住宅エリア内もしくは住宅地に近く、便利さと環境のよさを併せ持つ物件も目立つ。住み心地がよさそうな場所のマンションが多いのだ。
QOL=クオリティ・オブ・ライフに対する関心が高まっている今、住み心地重視でマンションを選ぶ人が増えてきたのかもしれない。
そういえば、東京23区内・準都心エリアにおいて、世田谷区と杉並区の物件が目立っている。歴史ある住宅地、世田谷と杉並の新築マンションは、要注目といえそうだ。
便利な都心部では、総販売戸数287戸で人気指数「4.6」となった「パークタワー西新宿」が極めて人気の高いマンションとなる。

販売開始前で超高人気となったマンション

販売開始前で人気物件の目安・事前人気指数「2」以上となったのは、全国で29物件。半年前の調査では23物件だったので、こちらは増えている。全般的に新築マンション価格が上がっているので、これから出てくる物件に関心が高まっている様子が見て取れる。
そのなかで、販売開始とともに、短期間で完売する可能性が高い「事前人指数10以上」となったのは3物件だった。
最高値となったのは「パークホームズ深沢七丁目」(東京都世田谷区)で、事前人気指数は驚異的な「58.1」。第2位は、「パークホームズ西池袋」(東京都豊島区)で、事前人気指数「35」。第3位は、「パークホームズ東陽町」(東京都江東区)で、事前人気指数「11.6」だ。
4位の「パークホームズ四条河原町」は、京都市中心部でも人気の高い場所。ここまで、三井不動産レジデンシャルのマンションが並んでおり、同社の人気の高さをうかがわせる。
5位「プレディア西葛西」と6位「プレディア明石」は、西日本プロパティのマンション。細かいところまでしっかりつくり込む同社のマンションが評価を上げているのだろう。
 6位の「プレミスト大倉山」は、全241戸のマンション。東急東横線大倉山駅徒歩圏の大規模マンションであるため、好調に売れてしまう可能性が高いだろう。

「人気指数」、「事前人気指数」の上位マンションをエリアごとに公開

販売中マンションの「人気指数」、販売前マンションの「事前人気指数」をエリアごとに調査し、後述する人気物件と認められる条件をクリアした上位マンションを公開する。
今回は、全国を
「東京23区内・都心部エリア」
「東京23区内・準都心エリア」
「東京都市部エリア」
「神奈川県エリア」
「埼玉県エリア」
「千葉県エリア」
「静岡県・愛知県・石川県エリア」
「京都府・奈良県エリア」
「大阪府・兵庫県・広島県エリア」
「福岡県・沖縄県エリア」
「栃木県・群馬県・宮城県・北海道エリア」
の11エリアに分けて、「人気マンション」と認定される物件をリスト化して公開する。
これに加えて、全国の販売前マンションから「事前人気指数」が高い物件のリストも公開する。

2023年1月~3月人気指数物件・事前人気指数リスト

・東京23区内・都心部エリアの「マンシン人気指数」高位物件
・東京23区内・準都心エリアの「マンション人気指数」高位物件
・東京市部エリアの「マンション人気指数」高位物件
・神奈川県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・埼玉県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・千葉県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・静岡県・愛知県・石川県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・京都府・奈良県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・大阪府・兵庫県・広島県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・福岡県・沖縄県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・栃木県・群馬県・宮城県・北海道の「マンション人気指数」高位物件

・全国の「事前人気指数」上位物件

「人気指数の計算方法」

 

「新築マンション人気指数」は、資料請求数と販売センター来訪者、そしてマンションの総戸数から算出されるもの。総戸数からみて、多くの人が資料請求をし、販売センターに訪れた物件は指数が高くなり、人気が高い物件とみなされる。
調査期間は3ヶ月。3ヶ月間の資料請求数と販売センター来場組数を聞き取り調査する。資料請求数は10分の1にカウントし、来場組数の実数と合算、それを総戸数(販売対象戸数)で割って、指数を出す。指数1.0以上となるマンションを、人気物件として認定する。
指数が「5.0」を超えると即日完売が発生しやすくなる。「10」を超えれば、全戸が一瞬にして売り切れてしまう可能性が高い。
実際、人気指数10以上のマンションは宣伝を控える。これ以上、客が集まっても対応しきれない、むしろ販売センターが混乱して危険と考えるからだ。だから、「そんなマンションがあったの?知らなかった」という事態が起きがち。大げさな表現ではなく、過去の超人気物件の多くはそのようにして消えていった。

「事前人気指数の計算方法」

 

 

「販売前人気指数」は、モデルルームを開く前の資料請求時点での人気度を探るもので、「これからの要注目物件」が浮き上がる指数となる。
その算出方法は、資料請求が始まった時点から調査日までの資料請求数を聞き取り調査する。その数を総戸数で割って指数を算出。指数「2」以上の物件が、販売前人気マンションとして、認定している。