
2025年11月25日
櫻井幸雄の独自データ
独自調査で注目物件が判明 全国新築マンション「人気指数」
2025年7月~9月で、マンション市況に変化。実需向けマンション増加が鮮明に

今回調査で日本一の人気マンションになったのは、やはり都心立地
2025年7月1日から9月30日までの3ヶ月間、日本一の人気
建物は27階建てで総戸数102戸。1フロア2戸から3戸となる
今回データの集計後に行われた10月の第1期第1次販売では20
その価格は最上階で176.39㎡の3LDKが25億円となり、
このほか、最新の「マンション人気指数」をランキングとともに解
マンション人気指数の最新版を公開
「マンション人気指数」は、私が2011年から行っている新築分譲マンションの調査データ。物件ホームページでの「資料請求数」と販売センターへの「来場者(組)数」から、「人気指数」を算出している(詳細はマンション人気指数の計算方法を参照)。
人気指数は3ヶ月間の数値から算出し、これまで15年間、3カ月に1回もしくは6カ月に1回の発表を続けてきた。
今回の調査期間は2025年7月1日から9月30日まで。
その期間中、販売を行っていたマンションで人気物件の目安となる人気指数「1」以上を記録したのは全国で114物件となった。半年前の前回調査(2025年1月1日~3月31日)では123物件、その半年前つまり1年前は115物件だったので、ほぼ同水準を維持していることになる。
ただし、それより前の2024年1月1日から3月31日までの調査で人気マンションと認められたのは全国で148物件だった。それ以前はさらに多かったので、この1年ほど人気マンションの数は減ったことになる。やはり、昨年2024年がマンション市況の転換期だったと考えられる。
今回、短期間に完売する可能性が高い人気指数「5」以上を記録したマンションの数は全国で14物件。半年前の調査では11物件。1年前の調査では7物件だったので、少しずつ増えていることになる。
高人気物件の数は増えているものの、その顔ぶれはかなり変わってきた。
数年前まで、人気マンションの中心は、値上がりが期待できる東京の都心マンション。なかでも再開発で生まれる超高層タワーマンション、駅近の大規模マンションが目立っていた。
これに対し、今回調査で極めて人気指数が高くなったマンションは中規模、小規模のマンションばかりとなった。
具体的に、人気指数が「5」以上となった人気マンションを抽出したのが下の表だ。

人気指数が「5」以上となった14物件のうち、販売総戸数が200戸を超える大規模物件はひとつもなかった。JR山手線内側に立地するのは「Brillia Tower 乃木坂」(人気指数25.5)と「ザ・パークハウス千代田三番町」(同10.3)、「Brillia文京西片」(同9.7)「ザ・パークハウス新宿富久町」(同9.3)「パークホームズ文京白山ヒルテラス」(同8.0)の5物件だ。
東京23区内で、JR山手線の外側に位置するマンションが5物件。残りは神奈川県が1物件、埼玉県が2物件、そして福岡が1物件となった。
大阪府で高人気マンションが出なかったのは、少し寂しい。
今回調査では、高人気指数の物件だけでなく、全体的に大規模マンションの数が少なくなっている。中規模、小規模のマンションが目立つのだ。
総戸数が100戸未満の中規模、小規模マンションは建設地周辺の人たちが主な購入者となる。「広域から購入検討者が集まってくる大規模マンション」に対して、「狭域で売れるマンション」となるわけだ。
中規模、小規模のマンションは大々的に宣伝を行うことができないため、建設地の看板を見て興味を持つ人たちが大事な購入層となる。
そのような物件が増えている……それは、実需層相手にマンションを開発する時代に戻ってきたことの現れだろう。
実需層がターゲットなので、「将来の値上がりが期待できるマンション」よりも、「抑えた価格」や「つくりのよさ」が重視される。つまり、地味なマンションが多くなってしまうのだが、それが、本来のマンションの売り方。マンション市況が正常に戻ってきた証とみることができる。
この動き、エリアごとにみてゆきたい。
JR山手線内側の都心部で、新規発売物件減少が明らかに
前述したとおり、今回調査で最も高い人気指数を記録したのは「Brillia Tower 乃木坂」(人気指数25.5)。全102戸だが、一般販売の住戸は37戸にすぎない。
それに続く「ザ・パークハウス千代田三番町」(同10.3)、「Brillia文京西片」(同9.7)「ザ・パークハウス新宿富久町」(同9.3)」「パークホームズ文京白山ヒルテラス」(
総戸数が200戸を超えると、指数が上がりにくいのだが、それでも人気物件であれば、1.0~4.0程度の指数が出るもの。しかし、今回調査では大規模の人気マンションが少なかった。
大規模のマンションの売り出し自体が少なくなってきたことの影響だろう。建設費の上昇によって計画を一時見合わせる大規模マンションが増えているとしたら、残念な話である。
いずれにせよ、JR山手線内側エリアでは、高額化とともに、小規模マンションの増加が生じていることは確かだ。
23区内山手線外側では、投資に向く物件も上位にランクイン
23区内で山手線外側に位置する準都心部では、あいかわらず人気マンションが豊富だ。
ここ数年、調査を行うごとに40物件以上が人気マンションとして認定されているが、今回調査でも42物件がランクインした。
そのなかには、総戸数が200戸を超える大規模物件が3つある。
「ザ・パークハウス門前仲町」(全240戸で人気指数4.2)と、「パークシティ小岩ザ・タワー」(販売総戸数521戸で人気指数3.7)、「バウス加賀」(全228戸で人気指数1.4)だ。200戸以上ではないが「シティタアワー東京田町」(全170戸で人気指数1.1)も、大規模で高人気指数のマンションといえるだろう。
このほか、低層3階建て、4階建てで高い人気指数を出したマンションが8物件もあることにも注目したい。
「ブランズ西小山」(人気指数7.6)と「サンウッド明大前」(同6.0)、「サンウッド荻窪」(同5.8)、「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」(同2.5)、「ルネグラン上石神井」(同2.3)、「クレヴィア等々力」(同2.3)、「クレヴィア世田谷砧THE COURT」(同2.3)、「イニシア祖師ヶ谷大蔵」(同1.0)だ。
低層マンションの人気物件がこれだけそろうのも珍しい。タワマンが増えた反動なのかと思いたくなるが、他の理由もありそうだ。
近年、23区内ではマンション用地が取得しにくくなっている。そこで、不動産会社は住宅地内で小さめの土地も積極的に購入するようになった。
戸建て住宅に囲まれた場所では、超高層も大規模もつくれない。小規模で低層のマンションしかつくれず、それで低層マンションが増えた、という事情が考えられる。
低層マンションは今後も増えて行くことが予想される。抑えた価格の低層マンションが増えれば、小規模であっても人気はさらに高まってゆくだろう。注目すべき動きである。
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