独自調査で注目物件が判明 全国新築マンション「人気指数」 第4回 2023年1月~3月速報

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2023年11月17日

櫻井幸雄の独自データ
独自調査で注目物件が判明 全国新築マンション「人気指数」 第5回
2023年7月~9月速報

今回調査で、最高の人気指数を記録した「プラウド白金長者丸」。建物が完成してから販売が開始された。

分譲中マンションで最高人気となったのは「プラウド白金長者丸」

2023年7月1日から9月30日までの3ヶ月間で、分譲中マンションで人気物件の目安となる人気指数「1」以上を記録したのは、全国で130物件。そのうち、短期間に完売する可能性が高くなる、人気指数「5」以上となったのは、全国で6物件だった。
今回調査で、最高値となったのは、都心の小規模マンション。JR山手線目黒駅から徒歩6分の一戸建て住宅地内に建つ「プラウド白金長者丸」の人気指数「11.5」だった。地上3階地下1階・全26戸の小規模・低層で、2023年1月に建物が完成してから販売が開始された。
その価格は約59㎡の1LDKが1億3200万円から。約85㎡の3LDKが2億600万円など。現実的に住みやすそうなレジデンスであることが人気を高めた理由だろう。
続く第2位は埼玉県の「ブリリア浦和高砂」の人気指数「8.3」。それに、「アトラス麻布台」人気指数「7.7」、「サンウッド浜田山」人気指数「7.5」が続き、唯一首都圏以外で兵庫県の「プレディア明石」が人気指数「5.5」となった。
以上、超人気物件に共通するのは、すべて小規模マンションであることだ。
それぞれの戸数を並べると、次のようになる。
・「プラウド白金長者丸」 全26戸
・「ブリリア浦和高砂」 全32戸
・「アトラス麻布台」 全34戸
・「サンウッド浜田山」 全47戸
・「プレディア明石」 全28戸
以上のマンションは、価格が安くて人気になっているわけではない。23区内立地の「プラウド白金長者丸」「アトラス麻布台」「サンウッド浜田山」はすべて3LDKが1億円を超える。それでも、人気指数が高いマンションは10億円超えというようなびっくり価格ではない。
港区内の「アトラス麻布台」であっても、販売価格は約76㎡の2LDKが2億980万円など。杉並区内の「サンウッド浜田山」は約55㎡の2LDKで8470万円といった価格設定だ。
都心の大規模・超高額マンションばかりが注目を集めているように報道されるなか、現実に人気を高めているのは、便利さと環境のよさを併せ持つ物件。つまり、住み心地がよさそうな場所のマンションという点が共通するーーこれは、半年前の前回調査でもみられた傾向だ。
首都圏のマンションは価格が上がり、中国人が買っているとか、富裕層が買い占めているという話が頻繁に出るのだが、実際にマンションを買っている多くの人は普通の日本人で、自ら住むための物件を購入している。
投資目的の購入者ならば、経済の変化や金利の上昇で、すぐに購入を手控えるだろう。しかし、堅実な購入者は、簡単には購入計画をあきらめない。今は、そのような堅実市況に戻ってきたように思われる。

減速する地方のマンション市況。その先は

東京以外の場所をみると、人気物件が多いのはやはり大阪を中心にした近畿圏。特に大阪市内の中心部や北摂・阪神間、そして通勤路線として人気が高い新快速の沿線で、人気物件が目立つ。人気指数5.5の「プレディア明石」の最寄り駅・明石も新快速が利用できる。
が、それ以外の地方では人気物件が減った。それは、調整期に入った結果とみることができる。これまで勢いよく売れていたため、マンションを買おうと思っていた人の多くがすでに購入。今は、購入希望者が減ったため、人気指数が全般的に落ちているわけだ。
地方都市では、もともとマンション購入希望者の人数が限られているため、調整期が出現しやすいことも考慮すべきだろう。

販売開始前で超高人気となったマンション

販売開始前で人気物件の目安・事前人気指数「2」以上となったのは、全国で37物件。半年前の調査では29物件、さらにその前は23物件だったので、増加を続けていることになる。全般的に新築マンション価格が上がっているので、これから出てくる物件に関心が高まっているのだろう。
そのなかで、販売開始とともに、短期間で完売する可能性が高い「事前人指数10以上」となったのは8物件だった。前回調査では3物件だったので、こちらも増加だ。
最高値となったのは「サンウッド西荻窪」(東京都杉並区)で、事前人気指数は「17.9」。第2位は大阪中心部の「ブリリア淀屋橋」で、事前人気指数「17.3」。第3位は奈良県の「ローレルコート生駒ザ・レジデンス」で、事前人気指数「15.4」だった。
以下、事前人気指数10以上だった5物件とそれぞれの事前人気指数を記したい。
・東京23区内の「クレヴィア用賀」 14.5
・神奈川県の「ザ・ライオンズ武蔵小杉」 12.6
・奈良県の「ローレルコート橿原神宮ザ・レジデンス」 11.2
・沖縄県の「プレミスト那覇新都心ザ・パークフロント」 10.8
・東京23区内の「ザ・ライオンズミレス蔵前」 10.4

「人気指数」、「事前人気指数」の上位マンションをエリアごとに公開

販売中マンションの「人気指数」、販売前マンションの「事前人気指数」をエリアごとに調査し、後述する人気物件と認められる条件をクリアした上位マンションを公開する。
今回は、全国を
「東京23区内・都心エリア」
「東京23区内・準都心エリア」
「東京都市部エリア」
「神奈川県エリア」
「埼玉県エリア」
「千葉県・茨城県エリア」
「近畿エリア」
「広島県・福岡県・沖縄県エリア」
「長野県・宮城県・北海道エリア」
の9エリアに分けて、「人気マンション」と認定される物件をリスト化して公開する。
これに加えて、全国の販売前マンションから「事前人気指数」が高い物件のリストも公開する。

2023年7月~9月人気指数物件・事前人気指数リスト

・東京23区内・都心エリアの「マンション人気指数」高位物件
・東京23区内・準都心エリアの「マンション人気指数」高位物件
・東京市部エリアの「マンション人気指数」高位物件
・神奈川県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・埼玉県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・千葉県・茨城県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・近畿エリアの「マンション人気指数」高位物件
・広島県・福岡県・沖縄県エリアの「マンション人気指数」高位物件
・長野県・宮城県・北海道の「マンション人気指数」高位物件

・全国の「事前人気指数」上位物件

「人気指数の計算方法」

 

「新築マンション人気指数」は、資料請求数と販売センター来訪者、そしてマンションの総戸数から算出されるもの。総戸数からみて、多くの人が資料請求をし、販売センターに訪れた物件は指数が高くなり、人気が高い物件とみなされる。
調査期間は3ヶ月。3ヶ月間の資料請求数と販売センター来場組数を聞き取り調査する。資料請求数は10分の1にカウントし、来場組数の実数と合算、それを総戸数(販売対象戸数)で割って、指数を出す。指数1.0以上となるマンションを、人気物件として認定する。
指数が「5.0」を超えると即日完売が発生しやすくなる。「10」を超えれば、全戸が一瞬にして売り切れてしまう可能性が高い。
実際、人気指数10以上のマンションは宣伝を控える。これ以上、客が集まっても対応しきれない、むしろ販売センターが混乱して危険と考えるからだ。だから、「そんなマンションがあったの?知らなかった」という事態が起きがち。大げさな表現ではなく、過去の超人気物件の多くはそのようにして消えていった。

「事前人気指数の計算方法」

 

 

「販売前人気指数」は、モデルルームを開く前の資料請求時点での人気度を探るもので、「これからの要注目物件」が浮き上がる指数となる。
その算出方法は、資料請求が始まった時点から調査日までの資料請求数を聞き取り調査する。その数を総戸数で割って指数を算出。指数「2」以上の物件が、販売前人気マンションとして、認定している。

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