2021年4月取材
シティテラス新小岩 (住友不動産)
住宅評論家・櫻井幸雄が、分譲中マンション、もしくはこれから販売開始されるマンションをカメラとともに取材。建設地と最寄り駅、そして販売センターを歩き回り、「どんなマンションなのか」「注目すべきポイントは」を調べる。2021年4月、東京都の葛飾区、JR総武線の快速停車駅・新小岩駅から徒歩3分で建設が始まった「シティテラス新小岩」を現地調査した。
新小岩駅から建設地周辺を調査
━━新小岩駅周辺はどんなところで、建設地はどんな場所?
調査1 新小岩駅周辺って、どんなところ?
「シティテラス新小岩」の最寄り駅は、JR総武線新小岩駅。東京駅を起点にして約9㎞。大井町駅や中野駅とほぼ同じ距離に位置し、JR総武線快速も停車する駅だ。
新小岩駅からは快速利用で、東京駅まで直通13分(通勤時14分)にすぎない。しかも、新小岩駅から乗車する朝の上り電車は混雑度が緩やかというのが、私の印象だ。
上り快速で隣駅となる錦糸町駅に着くと、JR総武線緩行電車から快速に乗り換える人で快速電車内が混雑する。その前に、車両の奥に入ることができる点が、新小岩駅から乗車できるメリットとなる。
では、新小岩駅前は、どんな場所だろう。
その様子を動画でレポートしたい。まず、南口のロータリーから街を見回した。
次に、新小岩駅方向を見る。
新小岩駅南口側で、どんな建物が建設されるのか、「建築計画のお知らせ」を見ると
新小岩駅前は、現在も十分に活気がある。
それに加えて、南口駅ビルの建築が始まっているし、再開発で新しい商業ビル、超高層マンションが建設される動きもある。
これからの楽しみが多い場所といえる。
調査2 「シティテラス新小岩」の建設地は?
「シティテラス新小岩」は、この新小岩駅から徒歩3分に建設される。工事現場に行くと、建物の前面(南東方向)が、開けていることが分かった。
新小岩駅を最寄りとする場所で総戸数が200戸を超える大規模マンションは、じつに16年ぶりである。
駅から徒歩3分の場所は、ビルに囲まれた場所になりがち。しかし、「シティテラス新小岩」は、前面が開け、日当たり良好となる住戸が多くなる計画。この開放感は希少だ。
駅から徒歩3分以内のマンションは、中古になっても値下がりしにくく、それどころか値上がりすることが多い。
そして、マンションから徒歩5分以内に3つのスーパーマーケット(すべて24時間営業)があるし、全長約420mで140もの店舗が集まる「ルミエール商店街」へも歩いて3分ほどとなる。
「シティテラス新小岩」の建設地は、「都心近接」で「駅徒歩3分内」「生活便利」「再開発」といった、生活しやすい要素と、将来値下がりしにくい要素を備えている。これは、同マンションの大きな注目点となる。
調査3 JRの線路に近いことを確認
「シティテラス新小岩」の建設地は、JRの線路に近い。
線路に近いことは、駅に近い(徒歩3分以内)マンションの多くが抱える宿命のようなものだ。
一方で、「シティテラス新小岩」には、幸運な点もある。
それは、線路が建物の北西側に位置すること。いわば、マンションの裏側に線路があるので、「大きな窓があるリビングの前が線路」とはならない。線路の音が室内に入ることを防ぐ対策を施しやすい立地条件といえる。
建設地の調査では、線路側で線路からの音を確認した。
JRの電車がすぐ近くを走るときの音は、やはり大きかった。
ただし、これは割り引くべきだろう。
というのも、現状、線路と建設現場の間には、スチールのフェンスが立てられており、線路とフェンスの間の狭い空間で音を聞いているからだ。
電車の音はフェンスにぶつかり、狭い空間で反響し合う。音が大きく聞こえる条件がそろっている。
実際に建物ができれば、線路からの距離は今よりもずっと広がる。そして、植栽など音を吸収する要素も加わる。
さらに、建物には遮音の工夫が加わる。
それは、各住戸の線路側の壁に自然吸気口を設けない、という工夫だ。
自然吸気口つまり、空気取り入れ口が壁に空いていないので、電車の音が入りにくい。
線路側に吸気口を設けず、静かなバルコニー側から機械換気で外の空気を取り入れる。これで、静かで健康的な室内ができあがる。
静かな暮らしを実現するため、手間とお金をかけたマンションになる計画である。
現在、工事用フェンスがある通路で聞いた電車の走行音が、そのまま完成した建物内で聞こえることはない。
私も、30年以上前に最初のマンション(高速道路に近かった)を買ったときは、音を気にして、工事現場のフェンス前で音の聞こえ方を確認した。
そのときは、ずいぶん大きな音だと思ったが、実際の暮らしが始まり、窓を閉めた室内では、まったくといってよいほど気にならず、高速道路が近いことを忘れた。
同様のことが、このマンションでも起きるはずである。
販売センター内のモデルルームで、プロとしての注目ポイントを解説
━━新小岩駅から歩いて3分ほど。マンション建設地とは線路の反対側にある販売センターを訪ねた。そのモデルルームは、工夫の宝庫といってよいほど、工夫にあふれていた。
※「 シティテラス新小岩」マンションギャラリーは2022年7月31日閉鎖。
販売センターは8月5日より、総合マンションギャラリー秋葉原館に移転している。
調査4 モデルルームで、住戸の広さを確認
「シティテラス新小岩」は、地上15階建て・全270戸の大規模マンションで、住戸は全戸南東向き。明るい暮らしを実現する住戸は3LDK中心のファミリータイプで構成される。
3LDKは67㎡の広さがメインとなるのだが、モデルルームはあえて約64㎡の3LDKとしている。その面積でもウォークインクローゼットが2つ。それとは別に納戸が設けられるなど収納が充実することを示すためだろう。
室内の様子を動画で紹介したい。まず、リビングダイニング。
(モデルルームに入ると、真っ先にリビングダイニングを見に行くのが、私の癖。一般の方とは順番が異なるかもしれない)
リビングダイニングは、天井高が2m60㎝もあることも特徴的だ。
次は、主寝室。柱の食い込みが小さい
子供部屋となる居室は柱の食い込みがまったくない。
リビングダイニングも、柱を住戸の外に出し、隅がすっきりしている。
太い柱形を住戸の外に出し、室内廊下を短くすることで、室内は広い。約64㎡の3LDKでもウォークインクローゼットが2つ付き、それとは別に納戸が設けられるなど、収納が充実する。モデルルームをみた人たちの間でも、「64㎡とは思えない」という感想が多い。
リビングと寝室の天井が床面から2m60㎝もあることの効果もある。一般的な天井高は2m40㎝なので、それより20㎝天井が高いことになり、開放感が大きい。
面積以上のゆとりを感じるプランニングだ。
調査5 住戸内設備が充実する点も「シティテラス新小岩」の特徴
住戸内の設備は、極めてグレードが高い。その内容を、キッチン、浴室、バルコニー、そして玄関のスペースごとに動画で解説したい。
キッチンは、天然石カウンターにディスポーザー、食器洗い乾燥機が標準設置となる。
浴室はミストサウナ付きだ
バルコニーの奥行は1m95㎝もあり、ミニシンク(外部水栓)と屋外コンセントがある。戸境のパーティションは、床から天井までのフルサイズだ。
駅から徒歩3分のマンションは、「駅近」というだけで、購入希望者が多いもの。そのため、建物には力を入れないケースがある。
その点、「シティテラス新小岩」は、建物に数々の工夫を凝らしている。駅近の便利さだけでなく、住み心地のよさも追求しているのが、特徴となるわけだ。大きくて、ミニシンクと屋外コンセントを付けたバルコニーは、その特徴をよく表す部分である。
調査6 まだまだある、他ではなかなかお目にかかれない特徴
ほかにも「シティテラス新小岩」のモデルルーム、販売センターで発見した特徴は数多い。
まず、全住戸の玄関近くに大型の戸別宅配ボックスが付く。ゴルフバッグがすっぽり入る特大サイズで利用価値が大きい。
トイレは、手洗い器が便器とは別に設置される。
「シティテラス新小岩」では、共用施設を必要なものだけに絞り、管理費・修繕積立金の額を極力抑える、という方針も注目される。
その金額は、約64㎡の3LDKで毎月の管理費・修繕積立金合わせて1万8505円など。2万円を切る設定なので、驚く。
超高層のタワー形状ではなく、板状の15階建てであるため、管理費・修繕積立金を抑制しやすいのだろう。
毎月のランニングコストが抑えられれば、年金暮らしになっても、安心して住み続けることができる。これは、多くの人に歓迎される特徴となるだろう。
ウィズコロナで、郊外に憧れる人が増えた一方で、やはり通勤時間の短い都心近くに住みたい、という人の数も増えている。
「シティテラス新小岩」は、そんな「都心近くに住みたい」という希望と、「住み心地のよいマンションで暮らしたい」という希望を、共に満たしてくれるマンションと評価される。
※2022年7月に完成した「シティテラス新小岩」の追加調査を行っている。
こちらも併せて参考にしてもらいたい。
追加調査の記事はコチラ↓↓↓
◆「シティテラス新小岩」公式サイトはこちら