梅田ガーデン レジデンス(住友不動産)

2021年10月、住友不動産様から依頼頂き取材しました。

梅田ガーデン レジデンス (住友不動産)

住宅評論家・櫻井幸雄が、分譲中マンション、もしくはこれから販売開始されるマンションをスマホ片手に取材。建設地と最寄り駅、そして販売センターを歩き回り、「どんなマンションなのか」「注目すべきポイントは」を調べる。
今回は、大阪の中心地でこれから分譲をはじめるマンション「梅田ガーデン レジデンス」をいち早く現地調査した。
説明中の動画はコメント入りで、動画中にだけ出している情報もある。ぜひ、音を出して視聴いただきたい。

梅田駅と建設地の周辺を現地調査する
━━梅田駅・大阪駅周辺から建設地までの近さ、建設地周辺の立地特性を実際に歩いて調査した。

調査1 知らない人のために……今の梅田駅・大阪駅って、どんなところ?

梅田ガーデン レジデンス」の最寄り駅は、Osaka Metro谷町線の東梅田駅で、同駅から徒歩2分となる。が、それよりも注目したいのは、Osaka Metro御堂筋線梅田駅から徒歩3分となる点だ。
「梅田駅徒歩3分」というだけで、とてつもなく注目度が高い立地特性なのだが、それを説明する前に、関西に住んでいない方のために、梅田駅と大阪駅の位置関係、そして、現在の梅田駅・大阪駅周辺の状況を説明したい。

大阪駅は、JR西日本の駅で、住所は大阪市北区梅田。その界隈は「梅田」と呼ばれ、阪急電鉄・阪神電鉄そして、Osaka Metro御堂筋線では「梅田駅」の名称を付けている。
 同じ場所なのだが、JR西日本は「大阪駅」とし、エリアの地名と私鉄・地下鉄の駅名では「梅田」が用いられる。
 これは、九州における経済の中心地・福岡市の天神で、西鉄大牟田線が「福岡駅」とされ、エリアの名称と地下鉄駅名が「天神」になっているのと同じだ。そういえば、東京駅周辺でもエリアの名前は大手町や八重洲である。
慣れないとわかりにくいが、大阪の人は「大阪(梅田)駅」と納得している。

その大阪駅舎は、近年、大きな変貌を遂げた。

JR西日本の大阪駅は、ガラス張り部分が多く、明るく、モダンな駅に変わっている。

さらに、大阪駅の北側には「うめきた」とよばれる再開発エリアが誕生。超高層ビルが立ち並ぶ「グランフロント大阪」が生まれ、発展を続けている。

もともと梅田駅・大阪駅の利便性は高く、新幹線を利用できる新大阪駅へは、JR大阪駅からひと駅4分。新大阪駅での乗り換え距離も短い。東京駅で京葉線や総武線はもちろん、中央線ホームから新幹線に乗り換えるより早い。
ちなみに、私は新大阪駅に向かうJRの車中で新幹線をインターネット予約し、新大阪駅到着時間の5分後の「のぞみ」の指定席を取り、余裕で間に合った。

大阪中心部において、梅田駅・大阪駅周辺は、本町・心斎橋・難波エリアよりも、新大阪駅から近い。これは、東京から進出する企業にとって、梅田駅・大阪駅が魅力的になる要素といえる。
さらに、梅田の新阪急ホテルから大阪空港(伊丹空港)へのリムジンバス(所要時間約45分)が1日28本も出ているし、関西国際空港へのバス便もある。

利用できる電車の路線・駅が数多い。そして、現在、大阪駅周辺ではいくつも工事が進んでいる。これからも進化してゆく場所なのである。

全国へのアクセスがよく、大きく生まれ変わっている場所なので、梅田駅・大阪駅周辺には、多くの企業が本町エリアから拠点を移すようになった。
大阪駅・梅田駅周辺は、ビジネス・商業の一大拠点となりつつある。

まとめ

「梅田ガーデン レジデンス」」は、Osaka Metro御堂筋線梅田駅から徒歩3分。ほかに、JRの大阪駅、阪急電鉄・阪神電鉄の梅田駅など7駅が利用可能。
新幹線の新大阪駅に近く、大阪空港にも行きやすい。
駅周辺は再開発が進み、新しい街づくりはこれからも進む。
梅田駅・大阪駅周辺は、2025年大阪万博に向けて、さらに注目度が増し、不動産価格も上がって行く場所と考えられる。

調査2 マンション周囲をじっくり調査

「梅田ガーデン レジデンス」の建設地はOsaka Metro御堂筋線梅田駅から徒歩3分。
この立地特性が、まず希少である。
これまで、梅田駅徒歩圏のマンションはいくつかあった。が、御堂筋線梅田駅から徒歩3分以内という立地条件で、ファミリータイプをそろえたマンションは記憶にない。

駅徒歩3分以内のマンションは、中古になっても値下がりしにくいことは、各種データで実証されている。しかも、徒歩3分の駅が、大阪で最も人気が高いOsaka Metro御堂筋線であり、梅田駅である。
要注目の立地であることは間違いない。

正確いうと、建物全体が「梅田ガーデン」。その一部に分譲マンションである「梅田ガーデン レジデンス」が入ることになる。

大阪駅から延びるペディストリアンデッキから、建物を眺めてみよう。

Osaka Metro御堂筋線梅田駅からは、地下街の「ホワイティうめだ」を利用でき、「梅田ガーデン レジデンス」のすぐ近くで地上に出ることができる。

地下街の「ホワイティうめだ」には、スーパーマーケットの「成城石井」が入っているので、日々の買い物も便利だ。

地下街の途中には、待ち合わせの名所「泉の広場」もある。2019年12月にリニューアルされて美しい。

地下街からの階段を上がると、すぐ右手に建物がみえる。

2021年10月半ばの取材時点で、「梅田ガーデン レジデンス」は、まだ一部が工事中だった。

「梅田ガーデン レジデンス」の西側は「曾根崎お初天神通り商店街」。飲食店が多く、近年は近代化する梅田に残るレトロな街区として人気を高めている。
「梅田ガーデン レジデンス」は小学校跡地に建設されるため、小学校時代の面影が一部建物に再現される。そして、商店街に面した一画には公開空地も設けられる計画だ。

レトロな街区は、「大阪本来の味わいがある」と人気を高めている。

街のシンボルである「お初天神 露(つゆ)天神社」の本殿。本殿の後ろにみえる、ひときわ背の高い建物が「梅田ガーデン」だ。

まとめ

「梅田ガーデン レジデンス」はOsaka Metro御堂筋線梅田駅から徒歩3分という近さで、まず注目されるマンションだ。
便利だし、その立地条件を満たすマンションはなかなか出てこない。
資産価値の面でも要注目の立地である。
御堂筋線梅田駅からは地下街を通ってゆくこともできる。
地下街には、スーパーマーケットの「成城石井」がある。
阪急、阪神の両百貨店で食料品を買うこともできる。閉店前の時間帯であれば、値段を下げた食品をゲットできるかもしれない。
商店街とお初天神が近く、飲食店が多いし、レトロなムードも人気上昇中だ。

コンセプトルームと実際の建物内で、プロとしての注目ポイントを解説
━━「梅田ガーデン レジデンス」は、総合マンションギャラリーでコンセプトルームを公開。加えて、特別に建物内で眺望を確認した。
その様子をレポートしたい。

住友不動産は、常設の販売センターとして「総合マンションギャラリー」を全国各地に設置。1カ所で、複数のマンションを見学・検討できるようになっている。
「梅田ガーデン レジデンス」は総合マンションギャラリー梅田館で案内が行われており、建物模型やコンセプトルームをみせてもらった。

総合マンションギャラリー梅田館は、御堂筋線梅田駅から徒歩4分、JR大阪駅から徒歩7分となる。

調査3 総合マンションギャラリー梅田館で、建物の構成やコンセプトルームをチェック

「梅田ガーデン」は大阪市内のマンションで最高層(最高階数)となる56階建て。商業施設、ホテル、高級賃貸マンション、分譲マンションの複合開発になる。
このうち、9階から39階に設けられる分譲マンションが「梅田ガーデン レジデンス」だ。

そのことは、建設地に掲げられたパネルでも説明されていた。高級賃貸マンションの部分が「ラトゥール大阪梅田ガーデン」。分譲マンションの部分が「梅田ガーデン レジデンス」だ。

総合マンションギャラリーでは、建物完成予想模型も展示されている。模型で、同マンションの特徴がわかりやすい。

まず、建物外観にはガラス面が多く、シックな外装とある。見栄えがよいだけでなく、ガラス面は経年変化を起こしにくいため、長く美しい外観を保つという長所もある。
そして、コーナーサッシを採用した住戸は、眺望が開けそうだ。

建物は、制震構造を採用し、地震の揺れが軽減される。「梅田ガーデン レジデンス」はホテルのような内廊下方式となり、フィットネスルームやテレワークラウンジ、パーティルーム、そして32階にスカイラウンジなどが設置される計画という。
分譲される584戸に対して、268台分の駐車場も設けられることなどが説明された。

続けて、コンセプトルームを見てゆこう。
コンセプトルームは、販売される住戸のひとつを表現した「モデルルーム」とは異なり、複数のマンションを販売するときに、共通して説明ができるように考えられた住戸展示。部屋の広さ、設備の機種、壁の色などで異なる部分がある。が、「このようなムードの住戸になる」ことが理解できる。

たとえば、コンセプトルームに入ると、「梅田ガーデン レジデンス」の大きな特徴「二重床」であることがわかった。

さらに、リビングダイニングでは、一般的な天井高(2m40㎝)を大きく凌ぐ、2m53㎝〜2m55㎝であることも判明。
下がり天井が少なく、柱の食い込みもみられないので、すっきりした室内を実現しやすいといった特徴もよく分かる。
いずれも、超高層マンションではなかなか実現しにくい特性である。
そして、大型窓の先にバルコニーの手すりなどがないので、直接眺望が飛び込んでくる、住友不動産の「ダイナミックパノラマウインドウ」という工夫をリアルに体感できる。

キッチンは、オープン型。開放感が大きい形式だが、一方でキッチン内が見えやすい形式でもある。そのため、いつも美しいキッチンに保つ工夫として、ディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)や食器洗い乾燥機、美しい天板、効率のよい吸排一体型換気扇などが採用されている。

トイレ設備は、手洗いが別になっており、使いやすさを追求。

洗面台は小さな子供も使いやすく、掃除が楽になるよう工夫されている。

浴室は、ミストサウナが設置される。寒い冬だけでなく、じつは暑い夏もうれしい設備だ。

建物に工夫を凝らし、暮らしやすさを追求した設備仕様のマンションだと感心した。

まとめ

「梅田ガーデン レジデンス」は、「梅田ガーデン」の中に設けられる分譲マンション。
商業施設、ホテル、高級賃貸マンションとの複合開発となる。
建物はガラス面が多く、シックな外装だ。
全584戸の大規模となり、テレワークラウンジ、スカイラウンジ、フィットネスルームなど共用施設が充実する。
住戸は二重床仕様で、下がり天井、柱の食い込みが少なく、すっきりした室内を実現。天井高は一般的な高さ2m40㎝を大きく凌ぐ、2m53㎝~2m55㎝ある。
大型窓の先にバルコニーの手すりなどがないので、直接眺望が満喫できる「ダイナミックパノラマウインドウ」を採用。
キッチン、トイレ、洗面所、浴室の設備も充実している。

調査4 建物内で眺望を確認。そして、「梅田ガーデン レジデンス」の特徴である定期借地権方式について考えてみた。

今回、特別に建設途中の建物内に入らせてもらい、35階住戸からの眺望を体験することができた。
その貴重な映像が以下だ。

併せて、夜景も確認。梅田のシンボルである観覧車もよくみえる。

私はかねがね「マンションからの眺望は、動きのあるものがみえると、飽きずに眺め続けることができる」というのを持論としてきた。
35階の住戸からは、新御堂筋の動きのある光景が見えた。新大阪駅に向かう道の光景で、下の動画で確認できる。

「梅田ガーデン レジデンス」は、定期借地権方式のマンションである。
定期借地権について、疑問や不安を抱く人が多いだろう。
そこで、気になる点を取材して、まとめた。

まず、一般の分譲マンションは、土地も建物も自分たちのものになる所有権分譲方式。これに対して、定期借地権方式の分譲マンションは、「土地は期限付きの借地」となり、「建物は一般のマンションと同様に所有する」方式だ。
そのため、定期借地権方式のマンションには次のような特徴が生じる。

1,定められた借地期間まで住み続けることができるが、借地期間の延長はできない。
2,建物は、管理規約の範囲で自由にリフォームできる。
3,人に貸すことも、中古で売ることもできる。
4,入居後、管理費・修繕積立金とは別に、地代などを払うことになる。
5,住宅ローンに関しては、一般の分譲マンションと同様に組むことができる。
   ※住宅ローンは、一部金融機関で利用できない場合がある。

それぞれについて、「梅田ガーデン レジデンス」はどうなのか。取材したことをまとめたい。

1,定められた借地期間まで住み続けることができるが、借地期間の延長はできない。
━「梅田ガーデン レジデンス」の場合、借地期間は75年。定期借地権方式のマンションは「借地期間50年以上」と定められているので、ひときわ長い借地期間だ。
新築時から75年も経てば、一般の所有権分譲のマンションでも建て替えの時期となる。その面倒さをはじめからなくしている方式でもある。

2,建物は、管理規約の範囲で自由にリフォームできる。
━「梅田ガーデン レジデンス」は、天井が高く、二重床を採用しているため、リフォームの可能性が広がるマンションといえる。

3,人に貸すことも、中古で売ることもできる。
━「梅田ガーデン レジデンス」は、発展を続ける大阪駅・梅田駅エリアの超高層マンションで、御堂筋線梅田駅から徒歩3分の立地。将来、賃貸に出すことも、売却することもしやすいはずだ。

4,入居後、管理費・修繕積立金とは別に、地代などを払うことになる。
━定期借家権方式のマンションの場合、毎月の地代が高いケースがある。また、地代とは別に解体準備金を徴収されるケースもある。
ところが、「梅田ガーデン レジデンス」は、3LDK(72.97㎡)で約1万3000円、2LDK(58.19㎡)で約1万円に抑えられる計画だ。解体準備金は徴収されない。

5,住宅ローンに関しては、一般の分譲マンションと同様に組むことができる。
━住宅ローンは問題なく組むことができる(金融機関による審査はある)。

最後に、分譲価格は取材時点で未定。ただし、「定期借地権方式だから、安い」という性格のマンションにはならないはずだ。

なぜ、安くならないか。
そして、「梅田ガーデン レジデンス」のような、最新定期借地権方式のマンションをどう理解して、活用すべきなのか。
私の考えを解説させていただきたい。

●私の視点①
変わってきた、定期借地権方式のマンション

●私の視点②
定期借地権方式のマンションが持つ利用価値とは

●私の視点③
定期借地権方式のマンションが相続で生み出す価値

●私の視点 補足
定期借地権のマンションは、所有権分譲のマンションよりも相続税が安くなることが期待できる。魅力的な場所に建つ定期借地権マンションは、人に貸すことで高い賃料を稼いでくれる。一方で、残り期間が短くなると人に貸しにくいと心配する人もいる。
残り5年とか3年になると賃貸に出しにくいのではないか、と考えるわけだ。
じつは、その点も心配は無用。
というのも、今は「定期借家方式」で賃貸に出すことができるからだ。2年契約、3年契約で賃貸に出し、期限がきたら、退去してもらうことが可能になる方式で、これによりギリギリまで賃貸として活用することができることになる。

まとめ

「梅田ガーデンレジデンス」は眺望にすぐれたマンションで、今回は特別に、まだ工事中の建物内に入る許可をいただき、実際の眺望を確認することができた。
「梅田ガーデン レジデンス」は定期借地権方式のマンションである。
初期の定期借地権方式のマンションは、価格の安さを特徴とした。その分、建物の質は抑えられた。
しかし、今の定期借地権マンションは、抜群によい場所に建設され、建物にもお金をかける方式に変わってきた。その分、「価格が安い」とは言えなくなっている。
価格は安くない。しかし、利用価値が高く、賃貸に出せば、高い家賃を稼いでくれる。そこで、新しい定期借地権マンションの活用法というべきものが生まれている。

最後に

「梅田ガーデン レジデンス」は、新世代の定期借地権マンションである。
新世代の商品は、最初なかなか理解されない時期があるもの。パソコンもスマホも、コンビニも宅配便も、多くの人に理解されるまで時間がかかった。
しかし、いずれ定着することが間違いない商品である。
なにしろ、発達著しい大阪駅・梅田駅で、これだけ御堂筋線梅田駅に近い大規模超高層マンションなど、そう簡単には出てこない、と考えられるからだ。

◆「梅田ガーデン レジデンス」公式サイトはこちら